ジェノグラム(心理的家系図)のことを書いてみて、垂直方向(時間軸)、水平方向(人的ネットワーク、個人をとりまく何層もの環境)といったことを、このところ考えていました。
コロナウイルスのご時世、何かと不安がありますが、生き延びるには?!というヒントになると思う(おそらく)、『夜と霧』についてご紹介したいと思います。
これは垂直方向(時間軸)についてのモノです。
ところで、
学生の時、『夜と霧』は必読書のように言われていましたが、どのような意味があるか言及していることもなく、強制収容所の残酷な物語だろう!という風に思い、手に取ることもありませんでした。数年前にアウシュビッツ強制収容所に行かれた方から、絵葉書をいただいたのがきっかけで、学生の必読書を読んでみようと思ったわけです。
読んでみたら本のイメージが変わりました。
先入観は残酷性でしたが、主題は精神科医フランクルが、なぜ生き延びることができたのか?というもの、メンタルの強さとはどういうことか?ということだと思いました。この本から感じ取るべきものはそこだと思いました。
現在過酷な状態に置かれていても、それを意味あることと捉える。
過去はよかったと美しい思い出にばかりに浸り、現在を過酷だと捉えない。
未来には、家族と会えるのが楽しみだ(とフランクルは同僚を励ましたのだったと思います。)
禅(マインドフルネス)では『今ここ!』と思考がふっとばないように、今やっていることに集中します。
そして、物事の捉え方、現象はあくまで現象、ジャッジしないということが大切。
過去のいいことも悪いことも受け入れた上で(ここが難しいところですが)、今を生き、未来はいい!と考える時間的一貫性といったことが、フランクルの教えなのではと解釈しました。
こういったことは、私の母の思考パターンの逆だからこそ、大いに頷けたものです。
人生のすべて、どんな瞬間を切り取っても、何をやっていても不満、そして心は今にあらず、過去の愚痴と未来への不安でした。捨て台詞が『愚痴言って何が悪いの。スッキリするんだからいいでしょう。アンタは言っていい相手なんだから』。それで何も変わることなく、グルグル回って一生が終わったというわけです!!ネガティブビームを受け続けた被害者は私です!
ここでジェノグラムの登場、世代間伝達を断つために、私は母とは違う風に生きる!、私とこどもとの関係はそうはしない!と考えるわけです。
白井さんや舟木さんの本は、フランクルの 夜と霧 についての理解を促す一冊になっていると思います!!合わせてご紹介いたします。