昨日ご紹介した、近代日本の上流階級―華族のエスノグラフィー という本の訳者の一人が、竹内洋さんという方で、教育社会学が専門です。
どんな本を書かれているのだろうと思い探してみたら、学歴貴族の栄光と挫折というのがあり、興味を持ちました。
どんな時代でも、体制が変わるとガラガラポンで、前時代が否定されます。
江戸時代から明治時代になり、世襲制だった武士階級が無くなり、新しい時代の支配者が登場します。
のちのち、江戸末から明治時代になるまでの新指導者!ということに絡む本を紹介するつもりですが、今回は明治になってからの新勢力、学歴貴族について です!!
学歴貴族になるべく山の手:永井荷風と、下町:牛乳屋の息子の芥川龍之介の対比からスタートします。
戦前まで続く、複線型教育では、旧制高校から帝大ルートの固定でした。(戦後は単線型教育で、新制大学はどこの高校からでも受験可能。)
旧制高校入試においては、江戸時代の武士階級の必須・儒教と関わる漢文の選択者がどんどん減少していった!ということなので、江戸時代が遠ざるとともに、元武士階級ではなくそれ以外の新興勢力の参戦か?!と解釈できると思います。
イギリス・パブリックスクールや、ドイツ・ギムナジウム(いまだに、イギリスやドイツは複線型教育でしょう!!)は、貴族社交の延長線上の学問であるのに対し、日本の場合は、江戸時代の権力者必須の儒教と分断された、西洋哲学などのヨーロッパの学問(自由七科(リベラルアーツ))なので、江戸時代の階級社会から完全に分断され、新たな学歴貴族が出現したということになるのでしょう。
戦前の旧制高校~帝大の教養主義は、新制大学になっても、教養課程で、受け継ぎましたが、今は教養課程がなくなり、いきなり専門から入る!という大学が多いのでしょう!!
時代の変わり目は体制がガラっと変わり混乱するものですが、新しい階層のチャンスであり、マンネリでぐうたらを打破する、活気に満ちた時代だったことと思います!!
次は、江戸時代の庶民教育について書こうと思います!!