今日は、明治時代につながる、江戸時代の庶民教育の寺子屋、新勢力を生み出した私塾について書こうと思いましたが、明治のガラガラポンッの結果、明治150周年を礼賛する風潮の中、異議を唱える?意味で出したと思われる本!をご紹介します。
江戸時代の階級と分断された明治の学歴貴族、有力公家や旧大名家と明治維新での新興勢力も含んだ華族階級という、主に旧時代の延長線階級がいる一方で、新しい社会で、結果を出せなかった人にスポットを当てたものです。(それが、大多数であるとは思いますが。)
まず筆者は、すごい偏った思想であることをお断りしておきます。
資本主義否定論調で、明治時代と現代を重ね合わせて、生きづらさは同じと論じています。
頑張ったものだけが成功するという。通俗道徳というワードが頻出し、
例として、武器商人で成功した御用商人の大倉喜八郎を出していて、筆者は激しく否定しています。
大倉は、病気になるのは、気合いが足りないからと唱えていたそうですが、筆者は年中風邪ひいています!と反撃しています。
明治時代と現代を重ね合わせて論じているのは、
農民騒擾とデモ、貧民窟の住人とネットカフェ難民 といった具合。
努力しても、報われないこともあるのだから、弱者を保護すべきであり、現代では、生活保護の不正需給は僅か1%であるのだから、受給している人は非難されるべきではないと唱えています。
まあ、努力しても結果が出ない、報われないというのはあると思いますよ。でも、これ岩波ジュニア新書ですよ。(岩波というところがドツボですが)。小中学生に読ませていいの?!と思いました。最初から、努力放棄したらあかんとちゃうの?!