数年前話題になった、
『地獄』という絵本があります。千葉県安房郡三吉村延命寺(曹洞宗)蔵の地獄絵(16幅絵巻:天明4(1784)年、江戸の絵師 作)をもとに作ったモノです!!
解説によれば、
昔の人が医学が未発達のそのころ、地獄絵を子どもらに見せ、死の怖れを語り、行動の自制を求め、生への執着を強めて、子孫の持続を図ろうとした。
ということです。
この本の帯に、
うちの子はこの本のおかげで悪さをしなくなりました。(東村アキコ 談)
があります。『悪いことしたら地獄に行くから』とか『ウソついたら閻魔様に舌抜かれるから』とかよく言っていました、ウチの親は。昭和一桁生まれの親の
外発的動機付け(賞罰でも賞はなく罰しかない!!禁止のみ)を思い出し、私はイヤだな!!と思いました。この絵本を読んでみて、生への執着を感じるより、生きていても死んでもツライものといった印象しか受けませんでした。
一昨日ご紹介した、ニューウエーブ死生観!の
このあとどうしちゃおう(ヨシタケシンスケ)には、大いに同意しました。
おじいちゃんが、自分が死んだらどうなりたいか、どうしてもらいたいかを書いたノートを子どもが発見します。それで子どもは、真似して死んだのちのことを書いてみようと思ったのに、
今生きているうちにやりたいことがいっぱいあることに気づいた!というもの。
ここだ!と、非常に同意しました。前者が生きるということは外発的動機付けならば、こちらは
内発的動機付け(生きたいから生きる!!)といった印象を受けました。また、エリック=バーン(精神科医)の名言に、『今ここ。他人と過去は変えられない』がありますが、この 今ここ!、この瞬間に、しっかり足を地面につけて味わいながら生きるということを、この絵本から感じとりました。
まだ、孫はいませんが(私はそんな年齢なのです(爆))、孫にはこのあとどうしちゃおうの方を読ませたいな!と思います。コワイ方は見せたくないです。